【DeNA】34歳バウアーの「クレイジーなプレー」 二盗を3度阻止した20歳捕手に感謝し、完封勝利を達成

DeNAのトレバー・バウアー投手(34)が、ついに威風堂々としたNPB初の完封勝利を飾りました。前回の巨人戦では5回5失点で苦しみましたが、この試合では多彩な変化球を駆使し、相手に三塁を踏ませることなくシャットアウト。122球で6安打完封勝利を収めました。特に、今回で2試合連続バッテリーを組んだ松尾汐恩捕手(20)が、二盗を3度阻止するという素晴らしい守備を見せました。第8回には、決勝点となる犠牲フライを放ち、攻守にわたってチームを牽引しました。年齢差14歳のバッテリーが、見事なコンビネーションで首位の巨人を下しました。
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年齢や国籍は関係ありません。14歳差のバウアーと松尾は互いに助け合いながら戦っています。試合開始早々、巨人の泉口に初球をライト前に運ばれ、前回登板時にも1回に失点を喫するなど、問題を抱えてのスタートでしたが、松尾がその危機を救いました。続くキャベッジへの5球目、ワンバウンドしたナックルカーブを逆シングルで捕球し、そのまま二盗を阻止。バウアーは「こんなにクレイジーなプレーが実現するとは思わなかった。本当に助かりました」と感謝の意を表しました。
復帰後初の勝利を飾った4月27日の広島戦(横浜)以来、2人のコンビネーションが光ります。試合前のミーティングでは、投手コーチやアナリストと共に準備を徹底。バウアーは豊富な知識を持って自己のデータを持参し、松尾も巨人打線の特徴を手書きの資料でしっかりと準備しています。「英語はあまり得意ではないけど、分かる単語を駆使して積極的に話しかけています」と松尾は笑顔で話します。
物怖じせず意見を言う20歳の松尾に、元サイ・ヤング受賞投手であるバウアーも「一緒にいて楽しい選手ですし、本当に才能がある選手」と絶賛。松尾も「素晴らしいピッチャーで、勉強させてもらいながらやっています。自分の意見をしっかり受け入れてくれるので、今は良いコンビを形成しています」と語ります。
“バウマツバッテリー”で手にした完封勝利。三浦監督も「バウアーが引っ張りながら、汐恩もミーティングでしっかり意見を伝え、コミュニケーションをとって成長しています」と、目を細めて評価しています。チームは最近7試合で6勝を挙げ、ゴールデンウイークに横浜旋風を巻き起こしています。【小早川宗一郎】
▼バウアーが来日初の完封勝利。DeNAの投手が巨人戦でスコア1-0の完封を達成したのは2009年10月2日のランドルフ以来、球団として16年ぶりの快挙。DeNAの外国人投手では2002年8月8日のバワーズ、そして前記ランドルフに続き、3人目です。
▼バウアーは2019年に大リーグで1度、2020年に2度の完封を記録。日米を通算した完封は、サイ・ヤング賞と最優秀防御率を獲得したレッズ時代の2020年8月19日にロイヤルズ戦で挙げて以来5年ぶり。ただし、2020年はコロナ禍の特別ルールで7イニング制での記録となり、9回を投げ切っての完封はインディアンス時代の2019年6月16日のタイガース戦以来。大リーグでは1-0完封の記録はありませんでした。
▼決勝点は松尾の犠牲フライ。DeNAが1-0で完封し、捕手が勝利打点を挙げたのは、1993年8月21日の巨人戦で野村が完封し、谷繁が斎藤雅からソロ本塁打を放って以来32年ぶりです。
▽巨人の萩尾はDeNAのバウアーについて「速球で来るイメージだったが、今日は変化球も多く使っていた。本当に1回か2回のチャンスしかないと思っていました」とコメントしました。